北総の小江戸「佐原」の街に弊社の煉瓦が施工されました。

建物は角地の立地を最大限に活かして円形ビルにデザインされている。窓が連続しながら装飾で飾られた御影石とタイルに挟まれながら、昭和初期の哀愁漂うデザインが現代においても華やかさを放っている。
佐原は、江戸時代に利根川水運で栄え、利根川随一の河港商業都市として発展したそうだ。当ビルのすぐ近くには、伊能忠敬旧宅や三菱館など明治初期の建物がいまだに保存され観光地となっている。

雑誌やコマーシャルなどで「北総の小江戸」が存在することは知っていたが、どこに存在するものなのか知らずいままで過ごしてきた。「小江戸」というくらいだから、焼き物のレンガタイルなど頭の中にはつながらず、黒壁の商業ビルのみイメージしていた。要するに川越の風景だ。
在りがちな焼き物にならぬよう、本還元の土ものタイルをお勧めするという情熱が湧き出てきた案件だった。参考とした建物はあるものの、まねたところで現在のタイルの焼き方自体が違うのだ。青空を背景に建物が竣工したときの私のイメージは、新しさはあってもこの歴史的風景に品よく同化する焼き色だ。渋みが強すぎてもダメなのだ。

アール面は、馬張りリャンコの立ち上がり方(要するにタイルをアールに加工して焼いていない為自然なアールが取れているか)をモックアップで目視確認をしていただいた。
タイルの表面テクスチャ―は、手づくりのローラーを4本つくり、各々の違った面状を押し当てることでオリジナルな面状とした。成形時の押し当てる圧力は、微妙なもので手加工とはまた違った難しさがあった。