手はつりレンガタイル
せっ器質レンガの得意技。「手はつり」
機械と手作業混合で「はつり」ます。いつの時代になっても廃れることがありません。重量感いっぱいの様々な表情を生み出す、贅沢なテクスチャ―です。
テッセラ(割り肌)レンガタイル
厚手に成型したレンガタイルを二つに割り、凹凸に分離したものがテッセラ(割肌)です。粘土の表層が割れ、剥がされることによって光の吸収が生じます。落ちつた陰影のある壁面を創ります。
粗面(ワイヤーカット)レンガタイル
「粗面」・「ラフ面」等気楽に呼ばれておりますが、まさに皮剥ぎです。
ワイヤーカットとも呼ばれ、抜き出しの表皮をめくっていきます。
とても柔らかい表情を醸し出し、原料のシャモット粒子の大小で、引かれる軌跡に変化を及ぼします。
レンガタイルの貴重な技法です。縦抜き、横抜き対応しております。
ピン角残しの面状が、レンガらしく基本的なテクスチャーです。ブリック目地との相性も抜群です。
ハンドメイドブリックス レンガタイル
粘土素地の柔らかいうちに、叩いたり擦ったりローラーを掛けたりしながら表情を創り出します。手作業での心地よい質感の技です。創作れんがの見事な一品物を作り出します。
成型役物
建物の笠木、出隅、開口部、窓周り等
様々な場所に、粘土で一体成型した役物(曲、マグサ)が生まれます。特注品だからこそ納まりが重要です。特注金型形状も受注致します。
外壁レンガタイル 乱張り施工時のある考え方
職人任せにしない、小さなカット平を入れない乱張り

レンガタイル外装における乱張り(破れ目地)の構成には、いくつもの考え方があります。内装の一部や小ロットの施工であれば、乱張りの意図を理解した熟練の職人が、現場で壁と対話しながら即興的に納めていくことも可能でしょう。しかし、外装としてまとまった面積を構成する場合、現場判断に委ねる施工は、品質・コストの両面において合理的とは言えません。
現場で職人がその都度考えながら張り進める方法では、作業効率が低下し、結果として工事コストに反映されてしまいます。また、施工者ごとの判断や感覚の違いによって仕上がりにばらつきが生じ、設計意図として描いた「乱張りの表情」が再現されない可能性も否定できません。さらに、上下の破れ目地の関係から、50mm以下の小さな現場カットタイルを入れざるを得ない状況が生じ、意匠的にも納まり的にも苦しい部分が発生しやすくなります。
乱張りという表現は、一見すると自由度の高い張り方に見えますが、外装意匠として成立させるためには、むしろ明確なルールと割付の思想が不可欠です。特に二丁掛横張りにおいて、破片のような短辺カットタイルが壁面中央に入り込む構成は、遠景で見た際のリズムを崩し、素材本来の表情を損なう要因となります。左右端部や役物近辺など、構造的にやむを得ない部分を除き、二丁掛平の自然な繰り返しと織り込みがつくる景色を壁面全体として成立させることが重要であると考えています。
本図面のパターンは、こうした考え方を前提に構成しています。役物についても経済性と合理性を重視し、接着加工において1枚の平タイルから1個の役物が取れる寸法設定としています。これにより加工枚数を明確にカウントすることができ、材料計画の段階から無駄のない数量算出が可能となります。
また、施工管理のしやすさを考慮し、パターンは600ピッチで繰り返す構成としています。職人が墨出しによって管理しやすいモジュールとすることで、乱張りでありながらも現場での再現性を確保し、設計意図を正確に施工へと反映させることができます。単なる「ランダム」ではなく、秩序を内包した乱張りとして成立させることを目指しています。
意匠的な単調さを避けるため、役物の隣には異寸平を挟み込み、破れ目地のリズムを構成しています。規則性と不規則性のバランスを意識し、近景では素材の変化が感じられ、遠景では一体の壁面として落ち着いた表情となるよう配慮しています。
施工にあたっては、職人ごとに張り進める方向が異なるため、事前に職長の施工手順を確認した上で割付を最終調整します。右張り・左張りいずれの場合でも、最終的な入隅部分で破れ目地の関係を確認しながら、必要に応じてカット平を挿入して納めていきます。
入隅部分については、湿式タイル特有の寸法誤差も考慮し、現場カットでの調整を前提としています。押切りによる対応が可能な納まりとすることで、無理な加工を避け、職人の施工ストレスを軽減しながら安定した仕上がりを確保します。
このように、あらかじめ割付ルールと意匠の約束事を明確にしたデザインとすることで、設計段階から完成形を共有することが可能となります。設計者にとっては、施工前から完成イメージを具体的に描くことができ、施主への説明においても高い説得力を持たせることができます。また、施工管理者にとっても、材料発注時に必要数量および予備材を明確に算出でき、無理のない施工計画を立案することが可能となります。
乱張りという表現の自由度を活かしながらも、外装意匠としての完成度と再現性を担保するためには、設計・製作・施工が同じ思想を共有することが不可欠です。本パターンは、その共通言語となることを意図した割付デザインです。