Works
実績紹介

会津中央病院 East Center

PCaパネルのレンガタイルと「流紋焼」

会津中央病院 East Center

Message

当社にとって三年間にわたる工事が、ついに完結した。外壁部門のみならず、建築という総体の中で数多くの学びと価値ある体験を得ることができた、かけがえのない現場であった。

とりわけ印象深いのは、建築家の意匠に対する情熱と創造性である。まるで音楽における交響曲のように、自ら構想し、作曲し、そしてタクトを振る。その一挙手一投足が空間全体を統率し、素材一つひとつに意味を与えていく姿を間近に見ることができた。

長年、焼き物に携わってきた私にとって、本計画はコンクリートへの価値観を大きく変える契機ともなった。とりわけ工場打ち込みによるプレキャストコンクリート(PCa)に対しては、どこか無機質で均質的という印象を抱いていた。しかし本件では、そのPCaが確かな技術と手法によって「生きた素材」として再生されていた。青空のもとに立ち上がるPCaの壁面は、まさに構造体を超えた芸術的存在感を放っていた。

外壁パネルには部分的にサンドブラスト処理が施され、さらに微細な彫刻のような溝やラインが刻まれる。光の角度によって表情を変えるその壁面は、視覚への静かな挑戦でもあった。この規模でありながら繊細な効果を成立させる感性は、並大抵のものではない。

無機質とされがちなコンクリートの中に、焼き物同士の素材コラボレーションが展開される。主張を抑えた青みがかったグレーのせっ器質タイル、そして会津本郷焼「流紋焼」による磁器特注創作タイル。とりわけ流紋焼のターコイズブルーは、PCaの壁面に浮遊するかのように溶け込み、視界の奥へと静かに侵入する。

遠景から眺めるほどに、その色彩効果は際立つ。素材、技術、そして意匠が高次で融合した本現場は、私たちにとって忘れ得ぬ到達点となった。

Outline

名称
会津中央病院 East Center(第二期増築工事)
所在地
福島県会津若松市
設計
設計 株式会社 羽深隆雄・栴工房設計事務所
施工
施工 大成建設 東北支店
使用タイル
TLCアソシエイツ社 特別ご注文品 せっ器質ワイヤーカット粗面20厚 60×227×20mm、小口から241特寸サイズ
タイル施工
PCユニット:TLCアソシエイツ