外壁タイルのテクスチャー選びで外せない3つのポイント

十分満足のいく良い外壁を、レンガタイル建築をつくりあげていくには、せっ器質というものの特性とテクスチャーを十分にふまえながら外壁の建築設計を行うことであり、また我々製作者側と多くの接触を通して予め適切な選択と理解の中でこそ可能になるものと考えております。

また、外壁において計画的な施工性を実現するには。ある程度の対応力ある職人の技量が十分必要となってきます。

建築家が外壁においての設計コンセプトの全体像の表現を可能にするためにも、専門的製造上の部位による理解度及び経験度からの意見を出しあい、とにかく早めに計画せねばなりません。

レンガタイルは、粘土の種類や成形方法・焼成方法の違いによって様々な色、面状が作られ、最近市場で認知されている人の手作業を更に加えて加工するなど粘土の特質を上手く利用しながらまだまだ一般的に知られていない多数の表情が存在しています。

そもそも、外壁用のそれ自体のテクスチャーは、建築の様々な創作に携わる多くの人々によって相当な種類が今まで創り出されてきました。

ヨーロッパの伝統的な表情のみならず、日本建築において一世風靡したテクスチャーなど、掘り起こせば相当な数が存在するのもこの素材分野での特徴かもしれません。

旧帝國ホテルの外装に使用された、スクラッチレンガなどの面状は、現代では新鮮なテクスチャーとして共同住宅のエントランス等にも積極的に使用されています。

テクスチャーの表現方法によって、製造方法も各種異なります。

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平らな口金から粘土が押し出されたままのフラットな基本タイプから始まって、表面の凹凸を表現した特殊面状、質感がザラザラ、つるつる等々沢山の表情をつくることができるのもタイルこその持ち味です。特に、押出成形の湿式製法では、乾燥前に手作業で二次加工を取り入れたりして微妙な質感を表現することも可能なのです。

タイルを選ぶにあたって、この表情の元になるテクスチャーをどうやって選定するかが、大変重要なポイントとなってきます。

しかし、その素材の表情は、みなさんもお解りの通り、目地仕上げ方やタイルの張りパターン(組み合わせ・デザイン)など様々な組み合わせから出来上がっています。その表情が人間の視覚に伝達し、個々の感性に様々な感情を伝えてくるのです。

タイル1枚1枚のみの質感や凹凸のみで決められるものでは無いのです。

要するに、対比の連続ということになるのです。

1. タイル自体の形状・プロポーション

2. タイルを取り囲む目地の仕上がり、色、陰影。

3. レンガで言う積みパターン(タイルでは、要するに張りパターン)イギリス積、フランス積、オランダ積、馬踏み目地、通し目地等々。

最低この3つのバランの組み合わせによって比較検討していかなければなりません。

外壁の壁面全体で、どのような表情を模索していくのか、ここの関係性を検討した上で、やっとその面状、テクスチャーが決まってくるのです。

では、ひとつひとつみていきましょう。

タイル自体の形状・プロポーション:

テクスチャーをタイルの大きさや縦横の寸法を検討して選ぶ。

そもそも、どんな形状があるのでしょう?

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外壁タイルは、れんがの寸法関連にて短手面「小口平」、長手面の「二丁掛」が最も基本であって、積れんがの積み方から、タイルの張り方が影響しています。しかし、現在の建築では、外壁を作る際にはタイルは、積むのではなく貼ることから創作的な壁面を作りあげる為に、その形状の自由度は、コストや職人の力量さえ考えれば、なんとでもなる外壁作りの環境が整っているのではないでしょうか。

モザイクのような小さな物から、陶板のような大きなものまで、割付状のモデュールに難儀はしますが、形状からの新たなイメージの発見もある事と思います。

工場に希望寸法の金型がなければ、油圧プレスの乾式製法と違って、湿式製法の場合は、実現可能な予算で金型も新たに製作することも可能で、より計画の設計プランにお役立ちできることと思います。

しかし、設計士が外壁設計にあたってそのタイルの製造方法や工程にさほど関心がない事から、様々なタイプがあるにもかかわらず、認知され得ない特徴と性質がまだまだ存在するということなのです。

また、外壁の予算的な面からお伝えすれば、職人の張り手間、全体コストから、平米あたりの材料使用枚数と職人の張り効率、目地の仕上げ方など、最も効率を考えれば、二丁掛が基本的にコストの基準値であると思います。
二丁掛より小さくなっても、大きくなっても、材料の平米コストと工賃は割高となってしまうのです。材料費を抑えたつもりでも、工賃が価格アップになることは、良くある事です。

建物のスケールによって検討する。

建物の幅や高さによって、素材のボリュームが違って見えます。学校などの公共性のある広い外壁と一般的な個人邸の外壁の幅では、同じものを貼ってもまったくと言っていいほど違って見える理由がそこにあります。この感覚を知ってか、建築家はたびたび住宅にはボーダータイプを(二丁掛より小さい)使用することが多いのは、よく知られている事例です。ボーダータイプのプロポーションに、建築家の意匠的安定感をもたらす場合が相当大きいのです。

単に、表面の表情ばかりにとらわれず、相対的に寸法と面状の対比も重要な決め事となってくるのです。

はじめから、意匠的な狙いをもってわざと大型を割りつけることも多々ありますが、同じ種類のタイルであっても「こうも違うのか?」という事に気づき、後でこうすれば良かったと感ずることもあるでしょうね。

タイルを囲む目地の仕上がり

テクスチャーを使用する目地の効果から検討して選ぶ。

目地は、雨水の進入を妨げ建物に耐久性を与えることながら、レンガタイルを美しくデザインするという美的な効果が、昨今特に注目されつつあります。同じ材料を使っていながら、目地を変えるだけで激変するこの昔ならではの素材は、新たな脚光を浴びているのです。

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人間の目視力とは、大変すぐれた感度をもっていて目地のわずかな表現の違いをすぐに拾い取り感知します。

下記の表現の違いにともなってその輪郭が、その表情に同化し合い更に意匠への変化(効果)をて、それ自体のテクスチャーへ様々な選択検討課題を投げかけてくるのです。1枚での認識とはまったく違った判断がさらに要求されることになります。

目地の色・目地材の種類・目地幅・深さ・骨材の大小差・骨材の色・目地の仕上がり表面の粗さ・使用した道具の表情差・凹凸感・面落ちによる陰影・光の吸収度・鏝押えの平滑度・希塩酸洗浄度合い・保水力・タイルの色と目地の色差・遠距離からの目地色と本体の色との混和色

目地による違いは、近距離から見る場合は特に重要で、目地によって眼線に飛び込む効果の違いを事前に想定しながら色や面状や張りパターンのバランスを選択していかなければなりません。本体のテクスチャー選択の単独の問題では、もはや無いことがおわかりいただけると思います。

レンガで言う積みパターン(タイルでは、要するに張りパターン)イギリス積、フランス積、オランダ積、馬踏み目地、通し目地等々。

テクスチャーを、壁面のレンガ張りパターンの選定との効果から選ぶ。

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壁面のレンガの見栄えは、目地のパターンの効果によるところが大変大きい。通常、特別選択されもせず、レンガ張り(馬目壁面のレンガの見栄えは、目地のパターンの効果によるところが大変大きい。通常、特別選択されもせず、レンガ張り(馬目地)、通し目地(芋目地・ストレート張り)のいずれかと疑問もなく選ばれることが多ある。しかし、一度新鮮に、他の張りパターンを範疇に入れ、検討してみるとまた違った面白さが生じてくるものです。視覚的効果をより高め、広い壁面の場合には特に織りなす目地の規則性に色彩の変化とあいまって相乗効果をもたらします。

当然コストにも影響するものの、タイルの表面テクスチャーにのみこだわってお金を掛けることは、今までのべた要素の関連性から、後で「もっとテクスチャーはシンプルなものにすれば良かった。」というケースも生じるものです。

張りパターンは、タイル割りの難しさも伴うことで、特に開口部の多い壁面においては、設計上大変な苦労を伴う場合もあるし、レンガタイルの役物に特寸を用意したり、沢山の役物寸法を現場に準備して施工するという、施工管理上高度な技術や対応を求められるのは必須である。

施工店の技術、職人の管理能力とともに、現場の建設会社管理者の能力も問われることになるわけです。

1. タイル自体の形状・プロポーション
2. タイルを取り囲む目地の仕上がり、色、陰影。
3. レンガで言う積みパターン(張りパターン)

以上、タイルの選択をする場合に、もちろんタイルを先に選ぶわけではありますが、この3つのポイントを十分認識した上で、検討していかなければ、設計イメージをより効果的に表現することは難しく、何度も制作者側に、試験的な依頼を重ねることにもなり、時間的に相当消費することになってしまいます。

我々が求められていること

我々素材供給者は、建築家の感性に適切な情報やデータを提示し、狭義の範囲で素材の可能性をアピールしていく必要性が求められています。

面状・テクスチャーの技工は、人手によるコストが価格の面でも影響し、避けられがちではあるが、日本人の求める職人技・手工芸的な唯一感のある素材に達するには、当然建築にはまだまだ求められていくべきものであり、そして単に、表面の表情ばかりにとらわれず、相対的に寸法と面状、そしてパターンの対比も重要な決め事となってくるのです。

昨今、旧来の煉瓦寸法や表情、雰囲気にこだわる必要性は無く、建物のスケールによって外観のイメージ、視覚上の効果が変化するのも大変興味深く、特注品での生産の意味合いが今後増してくる要因ともなっています。