タイル外壁の価格構成とは?

並べて比較

外壁の建築工事の中で、どの部分がタイル工事なのかあまり一般的に知られていませんよね?

それは、通常タイル工事専門業者(サブコン)が総合建設会社(ゼネコン)に提出し、建設会社や工務店の下請けとしての規約下で契約がなされていることがほとんどだからです。

タイル工事の契約について

施主直で契約する場合の外壁タイル工事もありますが、下地や足場に絡む様々な諸工事の関係性が深い為、めったにあるものではありません。

設計事務所の方々がもっとも困ることは、適正価格の把握であると思います。外壁の材料の値段は、材料メーカーのカタログなどで掲載されてはおりますが、業界用語でいうところの、外壁の材料のみの設計上代価格なのです。運賃や消費税、施工手間、諸経費一切含みません。また、上代という各々の販売会社の基準なき、あくまで目安の値段で、流通経路や取引条件、配送地域や配送単位によっても違い、よく言われる掛け率なんて、まったくあてにならないものなのです。

「とりあえず、〇〇%で見ておこう。」なんていう曖昧な見積で失敗することは、専門業者の立場ではよくあることなのです。設計事務所の段階から見積落としがあれば、どんどん実行予算がなくなって、どこかに負担がかかって、もめる原因になってしまうわけです。

確かに、設計事務所がメーカーに材料+工事での値段をもとめても、「分野が違うので、工事店からお見積りお取り下さい。」と言われるのが常でしょう。

建築工事の価格は煩雑である

一般的に、材料メーカーと施工業者が分離しているのは、仕方がないことでもありますが、当社のように、自ら企画してレンガタイルを製造し、流通から直轄の職人と管理で施工してしまう場合は、工事をする前からはっきりとした価格設定を設計事務所のコスト管理として提供することができるのです。

専門職であるからこそ可能なところかもしれませんが、建築工事の価格の複雑さは、なかなか施主レベルでは解りかねるものであるでしょう。

タイル工事コストの明細を詳しく

では、外壁タイル工事のコストの明細内容は、どんな項目が存在するのでしょうか? ひとつひとつ見ていきましょう。

1.タイル材料費:根本的に、1㎡あたり何枚の材料を使って、どの程度のロスが存在するのかを検討する。切り物のロス、メーカーのカートン単位の出荷条件の場合など、必然的に余分に購入せざるを得ないことも生じます。また、貼り直し、破損、 施工後の保守管理用の材料も受註業者の責任となってきます。 

運送会社

2.タイル材料の運搬費用:メーカー、商社からの出荷配送条件によって運賃は大幅に違いが生じます。大きな現場では、コンテナや大型チャータートラック、少量でも現場の道路事情や搬入事情によって、2トン車指定便に強要されたり、路線便(西濃、名鉄、宅配便、等々)の割高運賃によって搬入せざるをえない場合が多々現場では発生するのです。とくに、次の3.項目。

3.トラック荷受、場内荷揚げ、各階の荷揚げ。(タイル業以外の、ボード屋さんの搬入のご苦労も常ひごろよく見かけますが、タイルも1ケース25㌔前後あるものなので、相当な荷揚げ労力となってしまうのです。)

数ケースならまだしも、100ケース単位で材料を職人が搬入するとなると、それだけで、職人の一日の仕事が終わってしまい、貼る仕事以前にパワーを失ってしまい、足場で移動する仕事の危険性も考えなければならないことなのです。そこで、別途専門の荷揚げ作業員の経費は、必然的に必要となってくるため、価格として計上されるのです。

4.1.項目の材料費以外に、外装に使用する場合は役物(やくもの)が必要になってきます。出隅コーナーや開口抱き、マグサ、窓台、笠木など計画的な割付の中から、綿密に部品として拾い出していかなければなりません。

現場でカットして単に済むものではなく、加工を必要とする場合は、専門の加工業者に運賃をかけて材料を送り、加工後また現場に運賃を使って現場に納品しなければならないわけです。当然、加工時のカットロス等は当たり前に発生するのです。

外壁の材料の次には、貼りこむ施工費に関する材料価格となります。

5.それを貼るために使う接着剤、既調合タイル用モルタル(下地や工法によって使用材料やコストが大幅に違ってきます。) 1㎡あたりどのくらいの使用量で施工されるのかで価格を計算します。副資材として混和材等を使用する場合は副資材費も必要です。

6.貼ったあとに使用する目地材です。やはり1㎡あたりの使用量を目地幅やタイルの厚み,仕上がり方法を計算して価格計算します。当然、目地材を購入するときに配費も別途メーカーの配送量によって負担せねばなりません。

職人さんのワザ

7.以上、が主な材料費でしたが、今度は、工賃分野です。工賃には、張り手間、目地手間、洗い手間、足場繋ぎ費、場合によっては、自社の工事とは別に、他者工事の事情で手直しが必要な場合が、仕上げ工事の際には必ずと言って発生します。 

タイル張りは、平物 1㎡あたりの工賃、役物1mあたりの張り手間となります。数量の少ない現場では、一日の職人さんの労務費から計算せねばなりません。1㎡のダメ工事が発生しても、遠方から職人さんが交通費を使って通うわけですから、大変工事店の管理者は上手く全体の無駄を発生しないよう管理していかなければならないわけです。

目地工賃もとても様々な工法が有るために、一日の施工平米数等を考え、また職人さんの技量によって全体労務費から考えて計算していきます。使用する材料や目地材料の違いなど熟練した見積がここでは必要なのです。また同様に洗い(クリーニング)希塩酸洗いも平米数やタイルや目地の汚れ等のはかどり具合を価格として算定していきます。

8.最後に、「経費」となります。施工工事店の会社経費、管理費、現場経費、東京では、駐車場代などがばかにならない金額です。

9.以上、1.~8までの材料費+施工費+経費を加えて費用を算出します。あと、まだありました。施工工事期間における産業廃棄物処理費です。材料のダンボールカートン、切りくず、使用したモルタル・接着剤等の残り、目地、セメント袋、目地材掻き落とし残等、関係したゴミに関して建設会社現場処理費用として相殺される分があります。

工事をする以上、廃棄物は必ず出るわけであって、当然必要な予算となります。東京から職人を出張で派遣する場合には、宿泊・交通費も当然かかってくるわけです。

10.備考:最後にもっとも重要な事は、下地です。RC下地の場合は、適切な圧着用の精度の良い下地が、建設会社・工務店から支給されなければなりません。墨出しに作業員が乗込した時に、下地にはつりや付け送り下地の清掃などが必要な状況になっていてはいけないのです。

下地が大事

外壁工事店の処理のようにあいまいになされてはいけないのです。この下地の管理が、最も建設会社の責任たるところで、下請けの工事店に価格・予算のなかであいまいに圧力をかけてはいけないところです。安全に確実に外壁工事を施工する、原点となるところなのです。

通例、価格見積計画・施工条件書のなかで、諸項目のチェックをもって昨今契約がなされますので、材料の性質、特徴、その工法、現場環境を吟味して積算を完了していかなければならないのです。

以上の項目から考えますと、設計段階で専門のタイル工事相談スタッフと関係しながら計画を進めることがもっともスムーズに進行できる方法といえるでしょう。