外装タイルと内装タイルの違いは?

モザイク

皆さんは、タイルというとどんなものが思い浮かぶでしょうか。きっと大半の人が、つるりとした面を持ち、水場に使われているものだと思います。ブルーで四角くて、とか、丸い石のような形のものを思い浮かべる人がとても多いでしょう。

しかし、家を建てよう、とか、建築関係の人であれば、どちらかと言えば外壁に使われているタイルの方が思い浮かぶのではないでしょうか。長方形で整然と並んでいるもの、レンガのようなもの、いろんな模様が入ったものもあります。形が変わったものあるでしょう。どちらも「タイル」なのですが、その見た目は随分と異なる場合もあります。

両者の違いは?入れ替えても平気?

外装タイルと内装タイル・・・形や質感など、見た目だけで比較してみても、両者はどうもいろいろな違いがあるようですが、その決定的なもの、というのは何なのでしょうか。これは入れ替えても普通に使うことができるのでしょうか。

そこについてそれぞれの特徴などを検証しつつ考察してみたいと思います。入れ替えて見ると、どのようなことが起こるのでしょうか。

内装タイルについて

まず、水場等に使われている内装タイルについてです。こちらは表面がつるつるした陶磁器のような感じのものが多いですよね。ガラスに近いイメージかもしれません。基本的に水をはじくような感じになっていると思います。

タイルについて少し学んでいる人ならば、「それならば吸水率が低い磁器質のものなのかな」と考えるかもしれません。磁器質のタイルというのは一番吸水率が低く、叩けば金属のような澄んだ音がするものです。詳しくは「外壁に最適なタイルの種類一覧」を参照してもらえればと思います。

ところが、基本的に内装用のタイルは陶器質のものとなっているのです。そう、きめが粗くて吸水性の高いあれです。それだと水がどんどんしみ込んで大変なことになってしまうと思いがちですが、表面に釉薬で加工をしてあるので、下には水がしみ込まないようになっているのです。

そう、水をはじくのはタイルの色とりどりのあの色をつけるための釉薬、そしてタイルとタイルの間にある白い目地の部分を防水加工しているコーキングだったのです。この両方がそろうからこそ、手洗い場などはあの状態がキープできますし、水をためることもできるのです。

なぜ内装タイルは陶器質なのか

この陶器質が内装タイルとして使われるのは、その寸法精度の高さによるもの。これは乾式で造られているため、焼き上げても時間がたってもあまりサイズの差が出ないのです。逆に水分をたっぷり含んでいる湿式は、その水分の蒸発具合などがそれぞれ異なるため、ばらつきが多くなります。

タイルのサイズが大きくなればなるほど、ズレも大きくなり、目立つようになります。近くで見る機会が多いものはやはり極端なずれがない方がいいですよね。例えばキッチンの内装タイル。パッと見で目地がまるであみだくじのようにガタガタだったとしたら・・・?失敗かな、なんて思ってしまいそうですね。何より見栄えが良くありません。そのようなことが考慮されて、内装タイルは乾式で作った陶器質のものが多くなっているのです。

外装タイルについて

外用はどんなもの?

では外装タイルはどうでしょうか。外装タイルに関しては、磁器質、せっ器質のものが多く使用されています。磁器質は吸水率が1%以下、せっ器質は5%以下と、吸水率が低くなっています。そして前者は1250度、後者は1200度と、どちらもかなりの高温で焼き上げているのでぐっと焼き締まっていて硬度・強度もあります。

特に磁器質のタイルは他のタイルと比較しても劣化や変色の心配があまりないので、寒い地域の外装をするのに向いているとも言われます。寒い地域の寒暖の差、冷たい吹雪などの強烈な外界からの刺激にも耐えてくれる強度は高温焼成のたまものでしょう。

若干無機質な感じになるのがちょっと気になる、という方には、せっ器質がお勧めです。こちらは素朴な風合いを残したもので、陶器質ほどではないのですが、加工がしやすいので、表面にいろいろな模様を付けて味を出す、ということが可能なものとなります。いわゆるレンガ調のものはこのせっ器質のものです。

せっ器質は土の素朴な風合いを残したものが多くなっています。湿式で作ることが多いので加工もしやすいため、その表情はメーカーによってかなり異なります。また、手で加工するか、機械で加工するかでも全く違うものに仕上がるため、アート性が高いものになります。

外装に内装タイルを使うと

もし外装タイルの代わりに内装タイルを使うとどうなるでしょうか。内装タイルは外装タイルと比較すると強度・硬度がないので多少割れやすくなっています。紫外線や雨風などの外界の刺激が来ることを想定して作られていないからです。

また、釉薬があるからこそ水をはじくので、これがはげたりヒビが入ったりするとそこからどんどん水分が入り込み、重さが増して土台に負荷がかかってしまいます。それでなくともタイルを貼っている体躯には負担がかかっているのに、水の分それが大きくなってしまう訳ですね。

そのため、これを外装に使うと割れや剥離の可能性が随分高くなってしまうということで、不向きだという意見が圧倒的多数です。

外の床に内装タイルを使うと

また、床に使っても滑りやすくなります。床用、外装用のタイルはスリップしないように加工がされていますが、内装用はそうではないからです。特に湿気が多くなると表面に水がたまってしまい、とても滑りやすくなってしまうのです。また、強度の関係により、人が多く通る所ではどうしても摩耗が激しくなり、だんだんとその部分に凹みが出てきます。そうするとさらに水分がたまりやすくなり、危険度も増します。

また、吸水率が高い=泥が入り込んだ水分も吸ってしまう=汚れもしみ込みやすいので、掃除がかなり大変なことになりそうです。釉薬で加工したとしても、タイル自体が弱いのでそれも剥げやすくなり、雨や雪の日の後は大変なことになりそうです。美しく保ちたい場所にはかなり不向きと言えるでしょう。

内装に外装タイルを使うと

外用と中用入れ替え

逆に外装用タイルを玄関のたたきなどに使うとノンスリップ加工がされているため、滑りにくくて評判がよかったりもします。湿気が多い土地だと、逆に外装用タイルをうまく使った方がよいのでは、とも思われます。

ただし、先ほどもお話したように、内装用と比べると湿式で作っていることが多い外装タイルは寸法の制度が低いため、きれいにマス目のようにはならないかもしれません。もちろん外装用も乾式で作っているものがあるので、そちらを選び出して使えばこの問題自体はクリアされます。

やはり、適材適所ということか・・・

これらの情報から考察するに、外装タイルと内装タイルの決定的な違いはその強度と表面の滑りやすさ、寸法の精度ということのようです。

外装に内装用を使うのは避けた方がよさそうですが、場所によっては外装用のタイルをうまく内装に使うとかえってメリットが多い、ということもありそうです。何をどこまで譲れるか、というのがポイントになりそうです。

最終的にどう使うかは施主の好みで決めることができるそうですが、やはり適材適所のようですね。デザインで選ぶのも1つですが、タイル自体を知り尽くしている職人さんやメーカーさんのアドバイスもきちんと聞いてみる方が最終的に後悔がないのではないでしょうか。

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