アソシエイツ

アソシエイツ:工房(製作)

過去50年以上の建築設計事務所との対話を通し、蓄積したノウハウ。

工房

「フランク・ロイド・ライトが見出した産地、常滑」やきものの産地「常滑」は、日本の 炻器質タイルの数々を生み出してきた地域です。長年に渡って、多くの建築家が訪ね特徴ある素材を生み出してきた工房です。まさにタイル生産の礎を築いてきた歴史ある工場であり、特注品の専門家として活躍しています。

アソシエイツ:施工インタビュー 01

梶木次雄(外壁レンガタイル工事 職長)

梶木次雄

「仕事にたいしては真面目」みんなからよく言われ、本人もそれを誇りに思っているそうです。

遊びも好きだし悪さも大好きで、仕事以外はいい加減なところもある。でも、仕事に関しては誰よりも真面目に取り組む。昔気質のThe親方です。

それでは早速始めさせてもらいます。
まずは現在のお仕事は何をされていらっしゃいますか?

タイルを貼る職人です。

そのお仕事を始められたきっかけは?

最初この道に入ったのは17歳のとき。中学校を卒業して、最初は人手が足りない家業の食料品販売を手伝ったんだけど、家業は気楽なので17歳くらいまではほとんど遊んでるような状態でした。
その当時の遊び仲間のなかにタイルの職人がいたので、その友達の仕事を手伝ったのがきっかけですね。

友達に誘われて始めたということですね

そのとき友達が行っていた現場の人手が足りないということで、遊び仲間を何人か集めて手伝いに行ったりしてたんですよ。

初めてタイルを触ったときにはどう感じましたか?

今でも有田に展示会を見に行ったりしますが、もともと焼き物-陶器が好きだったので、タイルということは焼き物ということで、形あるものを自分で貼って組み合わせることに面白みを感じました。
当時は今みたいに大きな現場ではなく、町場の小さな現場だったし、タイルを貼るにしても団子貼りという一枚一枚張り付けていくという方法で、流し台を作ったりして、それがものすごく楽しいと感じたんですよ。

当時面白かったのは、ある店がオープンの際に粗品で焼き物の灰皿を配ったんですが、作りすぎてしまって大量に余ったので、その灰皿を壁に貼ってくれと頼まれて(笑)、、、そういう経験からタイルを含めて焼き物はなんでも壁に張れると思うようになりました。

梶木次雄

その経験で職人を目指そうと思われたんですね?

家業の食料品販売を手伝っていてもあまり面白いと思えず、親父も元々は紙の職人だったし、自分も職人の血を引いてるということで職人になりたかったんですよ、、、

あ、職人になりたかったんですか?

元々はね。若い頃は寿司職人になりたいと思ってたけど、先にタイルに出会ったのでタイル職人になったわけですが、寿司職人になって和食の器にきれいに盛り付けるということに憧れてました。

やはり飾ることが好きだったわけですね。

そうですね、だから料理も好きですよ。
料理をしてみると、奥さんのありがたみがわかりますよ(笑)

なるほど(笑)
それでは次の質問ですが、今のお仕事でやりがいを感じる部分はどこですか?

やりがいはやっぱり仕上がりを見れば、毎回達成感を感じますね。(建築物は)形として残るものだから、余計にそう感じますよ。

梶木次雄

では、今のお仕事をやってて嫌だ(損した)と思ったことは?

うーん。どうだろう。好きでやってるもんで、、、嫌なことっていうのは、まず無いし、まぁ、強いて言うなら若い頃のイジメかな?あの頃は完全にイジメて育てるという時代だったからね。大変な思いをしたこともありますよ。

夏の暑いときに浜辺で、穴を掘ってそこに埋められて顔だけ出した状態にされて、、、(詳細は伏せます(笑))、、、そういうのはあってはならないものだけど、まぁ、そういう時代だったので、その道を選んだことを後悔する気持ちもあったけど、逆に絶対こいつらよりも腕上げて見返してやるという気持ちもそれ以上にあったからね。

そういう気持ちがあって続けてこられたんですね。
現在梶木さんはご家族で仕事をされてますが、そのメリットはなんでしょう?

家族のメリットはやっぱり仕事に流れを作れるというのが大きいですね。他人でも自分の所で育てたら同じようにはなるんだけど、家族ゆえのあうんの呼吸というのがあるんですよ。それぞれが自分の役割を理解してるから、仕事がスーっと流れていくのはメリットですね。

では、家族ゆえのデメリットというか、気をつけてることはありますか?

やっぱり親子だからね、どうしても言い争いが出てくるよね(笑)
親方であろうがなんであろうが親子だから、先輩後輩関係なく言いやすいからってことでそうなるよね。ましてや親子とはいえ、職人であればそれぞれプライドは持っているわけで、同じ親子とはいえ人間としては別の考え方だからそうゆう部分はある。その辺も自分としては、出来るだけ尊重するように気をつけてます(笑)

梶木次雄

では、続いては木皿さんとの出会いについて聞かせてもらえますか?

出会いは、15年前に番頭さんを通して別の会社を紹介してもらった時なんですが、その会社に材料を入れてたのが木皿さんで、自分はその会社で職人をやってて、自分はその会社の社長に、タイル二丁掛けの仕事が得意だからやらせてもらえるように頼んでたんですよ。

そういった状況で、月島で二丁掛けの赤の現場があったんですが、そこで材料を入れている木皿さんが現場に来て、自分のところへ、挨拶がてらにお酒を持ってきたんですよ(笑)
木皿さんも職人の目を持っているし、きっちりとした性格の人だから、お互いよろしくお願いしますっていう意味で、、、顔を合わせて挨拶したのはその時がはじめてですね。

では、そんな木皿さんをどう思いますか?

職人に挨拶するために、わざわざ現場にまで来るくらい真面目で実直な人。 性格的には、くそ真面目というか生真面目ですが、考え方としては似てますね。だから意見がぶつかるということはないけども、仕事に関しては几帳面すぎるくらい几帳面な人ですね。
現場では全体のバランスを考えてやる必要が出てくるので、自分はもうちょっとアバウトな部分があると思う。管理者としては一番厳しいんじゃないかな?特に木皿さんの案件は設計(者)さんと直接絡みのあるものばかりだからね。

では次の質問です。現在梶木さん・木皿さん・鈴木さんでチームを組んで仕事をやってらっしゃいますが、チームでやるメリットってなんでしょう?

チームのメリットは、、、木皿さんの案件以外でも、鈴木とはずっと前から一緒に現場に入っていて、人間関係が出来てるわけで、これは自慢でも何でもないけど、鈴木も俺みたいな職人になりたいと言ってくれてるし、、、
木皿さんへ鈴木を紹介したのも俺で、木皿さんも(鈴木さんを)気に入ってくれてるみたいだからね。

木皿さんとは15年以上の付き合いで、お互い性格も良く知っているわけだから、こちらも人間関係が出来てるわな。そういうことでチームとしては最高に分かり合えるというか、団結力はすごくあるんじゃないかなぁ、、、

現場でどうこうというよりも、根っこの部分での信頼関係が強いという、、、

そうそう、やっぱり仕事もキチッと収まるというかね。まずは木皿さんが設計(者)さんとしっかりと打合せしてきてくれたものがあって、作業日程とかでもタイル屋がやりだして、2・3日遅れで目地屋が現場に入ってくればちょうど良いバランスで仕上がっていく、ところがヨソの目地屋だと今はちょっと無理という話になるからね。そうなるとバランス的には上手くいかなくなる。。
その点、鈴木はちゃんとその通りに段取りしてくれてるし、ウチがやった後をすぐに追ってきてくれる。だから品質的にも工期的にもキチッと収まるという部分がメリットだと思いますね。
鈴木のことは駆け出しのころから知っててウデも買ってるし、仕事は丁寧だし上手いからね。やっぱり仕事の下手な奴は好きじゃないけど、仕事の上手い奴は好きだから(笑)
鈴木も木皿さんからはまだまだ学ぶところがあるとは思うし、チームとしてやっていくからまだまだこれからだとは思いますよ。

なるほど。ありがとうございます。
次はレンガタイルの100年前と現代を比べてどう思うか?と100年後にはどうなっているか?この2点を聞かせてもらえますか?

そりゃあね、自分も半世紀やってるからね(笑)違いははっきりありますよ。
昔はタイルを一枚ずつ貼ってたし、切るのも今みたいにハンドカッターみたいな便利なものもないし、機械もの自体がほとんどなかったから、全部手作業だったわけで、、、技術だね。昔は。
今は全て道具でやってしまうから、技術がなくても道具があれば間に合う。
その違いがある。
だからスピード面では雲泥の差があるね。昔はひと月かかっていた現場でも今なら10日で終わってしまう。自分がやりだした頃と比べればそれくらいの差があるね。

梶木次雄

では100年後にはもっと速くなるということですか?

そうだね。100年後には、人間が貼らなくてもよくなるんじゃないかな、ロボットがやるようになってたりして(笑)
まぁ、それは冗談だとしても、人間がやる限りは今が限度だと思いますよ。これ以上の進歩はないと思う。ものは変わってもそんな進歩はないでしょうね。
逆にこれからは、ゆっくりでも丁寧な仕事をしなければいけないような時代になっていくんじゃないかなぁ。
今はとにかくスピードが要求される時代で、タイルは落ちたり剥がれたりという危険性もあるということで、簡単な建売とか、ものの1週間でパッと出来てしまうようなものに流れていってしまい、確かにタイル自体が少なくなっていること間違いないですね。
そういう流れだからこそ、やっぱり高級なタイルだけが残っていくような時代になるんじゃないかなと思います。職人もそれに伴って一流の職人だけが残っていくんじゃないかと。だからこそ私たちもその一流を目指してやっていくんですよ。

次は今の質問とも似てくるんですが、自分の仕事がなくなったらどうなると思いますか?

なくなってしまったら?どうだろう?

さっきのロボットがやるというのはないとしても、このままタイル減っていくというか、、、そういった点ではどうですか?

そりゃもう、魅力のない街になってしまうよね。変化がないというか、みんな同じような建物になってしまう。ほとんどサイディングになってしまう。。。

今日もここに来るときに木皿さんに道案内してもらったんだけど、、、やっぱりどこどこに何々のレンガタイルを貼っているマンションがあって、ほんでそこを曲がって、次に何々色のビルがあって、、、と建物の色とか、外装なんかを使って道順を教えてくれて、どこもそこも同じような変化のない面白みのない建物になってしまったら、そういったこともできなくなってしまう。

そんなこと考えたこともないけど(笑)、、、自分もタイル屋やってて、それがなくなるなんてことは絶対考えたくないことだからね。

要するに何が言いたいかというと、なくなって欲しくないという「気持ち」があって、それに対してどうしていくかというと、努力するしかないわけですよ。タイルをもっともっとアピールできるように、良いものだということをわかってもらえるようにね。

ありがとうございます。
では、そういった事も含めて、改めてご自身の仕事とはどういったものだと思いますか?

俺はこの仕事は芸術だと思ってるから。俺はタイル屋とはいえ芸術家だと思ってるから。やっぱり画家が絵を描くのと一緒で、タイルはやっぱりバランスだし見た目で評価されるわけですよ、、、そういった点でも絵画と似たような感覚があると思うんですよ。色の配色とかもあるし、、、そういう感覚ですよ。

芸術と聞くと私は「自分の中にあるものを表現する」という感じを受けるんですけども、、、タイル屋は「こういうものが欲しい」というオーダーを具現化してあげるのがお仕事だと思うので、ちょっと違和感を感じてしまうんですが、、、

一応ね、オーダーというのはあるけれど、オーダーには決まった寸法で決まったことしか書いてないんですよ。そのなかで現場自体は、図面と異なってる部分がいっぱいあるわけですよ。
ちゃんと図面通りやってきても、どこかで寸法がおかしくなっていて、予定通り行かなくなった。だからといって、寸法が違うからなおせ。だとか、図面と違うからやらない。というわけにはいかないので、、、
そういうことを前もって察知して、初めから全体のバランスを考えてやっていくことが要求されるわけです。

そういったことがわりと起こるんですか?

しょっちゅうですよ。ほとんどの現場がそんな感じなんでね。それができて職人なんですよ。図面通りにやるのは職人とは言わないんですよ

あぁ、現場というのはそういうところなんですね。

そうなんですよ。一番我々に要求されるのはそういったことですね。一番見えるところだからね。中は全然見えないけど、タイル貼って、目地詰めてそれが最後まで残るところだからね。

梶木次雄

なるほど。ありがとうございます。
では、次の質問はTLCアソシエイツと出会ってなかったら、今頃どうなっていたと思いますか?

もっと儲かってたかも(大笑い)
そうだなぁ、出会ってなかったら、、、辞めてたかもな、俺は。
もう、年齢的にもそこそこ限界だから、もう引退してたかも知れないね。
俺はもう、体も疲れるだけだし、通り一辺倒の仕事はあまりしたくない。
でも木皿さんとこの仕事はやりがいがあるわけ、好きだからね、ああいう仕事は。

では、最後に梶木さんが考える、TLCアソシエイツに依頼するべき人と、するべきではない人を聞かせてもらえますか?

依頼するべき人は、、、木皿さんの場合、設計(者)さんから直接受けてくるから、設計(者)でもタイルの味がわかる人。タイルを焼き物として扱える人。そういう人には良いと思うけどね。

予備知識がある人ということですか?

いやいや、予備知識じゃなくてタイルは焼き物だということを認識してる人。タイルは焼き物だからどうしても曲がったりとか、形が多少崩れるものだから、全体のバランスを見て評価してくれる人
絵画を見るような感覚でタイルを見てくれる人だと、我々もタイルとしての表現がより良いものになっていくよね。
以前の話だけど、いちいちタイルを割って貼ったりするようなことも結構あったんですよ。いちいち割って色んな形を組み合わせる。そんな仕事もあったりしたんですけどね。そういったタイルの貼り方とか質での表現を求めている人にはいいと思いますよ。

では、依頼するべきではない人はどうですか?

依頼すべきでない人は、、、日本人的な、まっすぐピッなってないと気が済まない人とか。特にゼネコンなんかもそういう感覚が強くて、設計(者)さんでも、まだそこまでレンガタイルに対して欧米的な感覚がないから、タイルに関してのクレームが結構多いんですよ。 曲がってるからまっすぐにしろ。とか、なんで曲がってるんだ。といったね。曲がってるのがタイルなんだけど、、、そういった感覚で「ピシッとしたものが欲しい人」とか、、、色だけで何とかしようとする、何種類もの「色だけで表現しようとする人」、ひとつのマンションだけで5・6色使ってやるような設計(者)さんもいるんで、、、そういった「タイルの質を求めてない人」それから、やっぱり「画一的なものを求めてる人」は我々には依頼しないほうが良いと思いますね。
自分なりのイメージのある設計(者)さんとは必ず事前に見本貼りをして、この太さが良いとか、この目地が良いとか決めるんですよ。できればね、そういう感性を持った設計(者)さんがもっと増えてくれれば良いなと思います。

ありがとうございました。

インタビュアーの感じたこと

いかにも親方といった風情の梶木さん。
若い職人の面倒を見るのが好きだそうで、「出会った人は誰でも大切にする」とおっしゃってました。
その性格ゆえに昔は痛い目にもあったそうですが、その経験が人間味あふれる今の人格を形成したのかなと感じました。

アソシエイツ:施工インタビュー 02

鈴木政光(外壁レンガタイル チューブ目地専門職人)

鈴木政光

「意外に真面目」人からよく言われるそうです。いかにも職人さんという風貌からそう言われるのかも知れませんが、本人は自分の事を真面目だとは思わないそうで、「仕事を受けた以上責任があるんだから当たり前ですよね」と言い切る。やはり真面目な職人さんです。

それでは早速始めさせてもらいます。
まずは現在のお仕事は何をされていらっしゃいますか?

タイルの目地詰めです。目地工ですね。

そのお仕事を始めたのはいつですか?

15歳の時です。中学校を出てこの仕事を始めました。この仕事以外は他の仕事はやったことないです。

そのお仕事を始められたきっかけは?

近所のおじさんがタイル屋さんをやっていて、その紹介で始めました。高校には行ったんですがすぐ辞めてしまい、プラプラしながらも「仕事しなきゃな」という思いもあって、そんな時におじさんに紹介されたんですが、若い頃は作業着に対する憧れもあって、すぐに始めました。

鈴木政光

では次の質問です。今のお仕事でやりがいを感じる部分はどこですか?

やりがいは、、、今でも変わらず毎回感じることですが、
現場の足場がバレて、完成した外装を見た時ですね。
他の人が見てもわからないと思うけど、「あの部分は足場が狭くて大変だった」とか、作業の大変さとその結果という部分で自分にしかわからない部分があるので、完成した姿を見た時に達成感がありますね。

なるほど。
では、今のお仕事をやってて嫌だ(損した)と思ったことは?

時期によって物凄く忙しかったり、暇だったりということがあって、なかなか予定をコントロールできないんですが、それは仕事をしている以上仕方ないことだと思います。
しかし、あまりにも忙しすぎて、家族のことを見れなくて何回か家庭崩壊しかけたこともあります(笑)

それは大変ですね(笑)次は、自分が職業病だなと思うところを聞かせてください?

家族とかと出かけていても、どこにいてもタイルばっかり見ちゃうことですね。タイルばっかり見てしまって、でも家族にも理解してもらえないですしね。これは職業病だと思います。

よく真面目だと言われるそうですが、、、

言われます。見た目とギャップがあるのか、「意外に真面目だね」と言われたりしますね。

それを言われた時どう思いますか?

自分では真面目とは思わないというか、、、仕事を受けた以上責任があるわけで、当たり前だと思うんですよね。絶対に仕事は休まないし。どれだけ熱があっても行きますね。どうしてもこの日に終わらせなきゃいけない現場とかあるんで。なにがなんでも行きますね。

仕事を始めた当初からそうだったんですか?

いや、正直二十歳くらいまではアルバイト感覚でやっていたところがあったんで、結構休んでました。遊び感覚でやっていたというか、、、

それは何かきっかけがあって意識が変わったんですか?

何かのタイミングでバチンと切り替わったというわけじゃなく、二十歳頃に違う親方についたんですが、その親方の下で新丸の内ビルとか、ミッドタウンとか結構有名な現場に一人で入らせてもらうようになって、そういった公共性の高い、多くの人に見られる現場を担当するようになってからやりがいや面白みを感じる様になって、徐々に意識が変わっていったんだと思います。

鈴木政光

今、十代の頃の自分をどう思いますか?

いやー、ほんとに恥ずかしいですね。同じ現場の人に何言われてもしょうがないですよ。今の俺だったら「なんだあのガキ。また休みか」って思うんで、当時の周りの人達にもそう思われてたんだろうな。今思えば(笑)

確かにガキと言われても仕方ない年齢ですよね(笑)
それでは、続いては木皿さんとの出会いについて聞かせてもらえますか?

木皿さんとの最初の出会いは5年位前で、二十歳の頃から一緒にやらせてもらってるタイル屋さんの梶木さんの紹介で1物件だけやらせてもらいました。
それまではモザイクタイルという、誰がやってもあんまり出来栄えは変わらないものしかやってなかったんですが、木皿さんの現場で特注品レンガタイルとか二丁掛けタイルに触らせてもらって、本当に職人としてウデが試されるという感覚を味わったんですよね。
その現場を経験したことで、よりやりがいを感じるようになってました。

そして今年(2015年)の話なんですが、また梶木さんの紹介で本格的にチームを組んでやっていくことになりました。

では、今回チームを組むことになった木皿さんをどう思いますか?

普段は話していて楽しい人ですけど、現場では厳しいし堅い人ですね。絶対妥協しないですし、仕上がりに1㎜くらいのヘコミやデッパリがあっただけでも確実に指摘されますからね。
現場っていうのは季節、気温、湿度、時間、光の当たり具合など変化していくので、毎日同じような仕事をするのはなかなか難しいんですが、木皿さんも職人なのでそれを理解したうえで、説明を求められますね。

鈴木さんの経験上でも厳しい部類に入るということですか?

木皿さんは管理者という立場になるんですが、数いる管理者のなかで一流の人ですね。他の管理者はそこまでタイルの仕上がりにこだわりがない人がほとんどなので、しっかりとしたこだわりを持っている木皿さんが管理者であれば、どんなお客さんでも絶対に満足してもらえると思います

鈴木政光

他の管理者にはそこまで厳しい人がいないという状態で、いきなり木皿さんの様な厳しい人がいたら、もう関わるのはよそうという考えもあると思いますが、、、

いや、そこには職人のプライドがあって、絶対に木皿さんに文句を言わせない仕事をしてやる!と思うし、木皿さんに「綺麗だね」と言ってもらうまではやり続けるというか、、、負けた気がしちゃって、、、

それも今の自分だから言えるんですよね。十代の頃だと、、、

そうですね。昔の自分はそんなことはなんとも思ってないでしょうね(笑)

(笑)
では次の質問です。現在木皿さん・鈴木さん・梶木さんでチームを組んで仕事をやってらっしゃいますが、チームでやるメリットってなんでしょう?

チームでやったほうが絶対に現場が上手く進みます。タイル屋さんと目地屋さんが仲が悪いっていう現場が結構多くて、そういう現場はほとんど話もしないし、コミュニケーションもないから現場を上手く進められないんですよね。
でも、このチームには木皿さんという管理者がいて、ビシッと決めている。梶木さんと自分は常に組んでるから仕事もスムーズに進められます。
たまに他のタイル屋さんと仕事をすると上手くいかないことがあって、そういう時はチームの良さを改めて実感しますね。
梶木さん以外でも過去に一緒に仕事したことがあるタイル屋さんだと、初めてやる人よりはやりやすいと感じますね。人同士だから当たり前なんですけど、現場ではそういった事がよくありますね。

鈴木政光

では次の質問ですが、自分の仕事がなくなったらどうなると思いますか?

自分の仕事がなくなるということは、安いタイルの塗り目地という、いわゆるモザイクタイルばっかりになってしまう。街も同じような風景の安い街並みになってしまうと思いますね。

ではそういった事も含めて、改めてご自身の仕事とはどういったものだと思いますか?

うーん。難しい質問ですね。率直に言うとお客さんのためなんですが、、、タイルに対して目地というのは「化粧」なので、より良い化粧をすること。
化粧ひとつで変わるので、タイルがどれだけ美人でも目地が汚いとほんとにブサイクになってしまう。より多くの人により長く見てもらうために良い化粧をするということですかね。

では、次の質問ですが、TLCアソシエイツと出会ってなかったら、今頃どうなっていたと思いますか?

そうですね。誰にも自分のウデも技も評価されず、ただ仕事をしてたんじゃないですかね、、、木皿さんの様な厳しい管理者とも出会えず、今ほどウデも上がってないかもしれませんね。
ただお金を稼ぐためだけに、ただただ仕事をしてるだけかもしれません。
普通の現場はゼネコンさんが決めてしまうから、現場の人と設計者が話す機会がないんです。
でも木皿さんは必ず設計者と確認してるから全員満足度が高いんです。
施主の注文を果たすために悩むこともありますが、それも含めて楽しいし、思い入れもやりがいも全然違いますね。

では、最後に鈴木さんが考える、TLCアソシエイツに依頼するべき人と、するべきではない人を聞かせてもらえますか?

依頼するべきではない人は、、、仕上がりもそこまで気にしなというか、わからない人というか、、、こだわりを持ってない人。形さえ出来てれば良いという人ですかね。

こだわりを持ってる人であればその通りやってみせるって感じですか?

そうですね。むしろ「こういうのが良いな」と言ってもらいたいんですよね。依頼するべき人の話になってしまいますが、注文が多いほうが自分のウデも見せたいといった感情も出て燃えてくるというか、、、

その注文が多いというのは、知識を持ってなくても構わないんですか?

知識を持ってなくても構わないんですよ。知識がなくてもこだわりを持っている人というのは、何回何回も現場に様子を見に来るし、知識がないなりに自分のイメージを何とか伝えようとしてくれるので、こちらもそのイメージを掴もうと色々提案します。
知識があろうがなかろうが、こだわりを持っている人は私達に依頼してもらえれば、なんだって表現して見せます。むしろ私達以外だと満足のいく表現は出来ないと思いますよ。

ありがとうございました。

インタビュアーの感じたこと

全ての現場で「常に勉強」という意識を持って取り組んでいる鈴木さん。
やはり真面目な人だと感じました。個人で仕事を受ける立場にあるためか「絶対に休まない」という言葉に仕事へのプライドを感じました。

アソシエイツ:施工インタビュー 03

雨宮拓生(外壁レンガタイル クリーニング専門職人)

雨宮拓生

「タイル工事の最後の最後の仕上げ。」希塩酸を駆使しながら目地とタイルの最終仕上げを任されています。TLCのこだわりを引き受け施主様に納品します。洗いあげて完了した壁面は、建築物の価値を高め、作品の潜在的な美しさを引き出します。「洗いあがった壁面を眺めながら、いつも充実感を得ています。」最終リレーのアンカーとしてフォローさせていただいています。

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